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神奈川県:発熱等診療予約システム

神奈川県が、各医療機関の予約を代行するための管理システム。kintoneとLINEを組み合わせ、920万人が活用するサービスを開発。
  • CLIENT. 神奈川県
  • FIELD. 神奈川モデル,新型コロナウイルス,kintone,要件定義,開発
  • DATE. 2020.09.01〜現在

— ABOUT

神奈川県は2020年10月20日、診療予約の窓口となる「発熱等診療予約センター」を開設すると発表しました。それに伴い、発熱等診療予約システムの全体設計およびオペレータ・医療機関向け機能開発について、ご支援させて頂きました。全国初となる本取組みについて、開発時の課題やリリース後の効果・反響についてお伺いしました。

新型コロナウイルス感染症神奈川対策本部IT班 清本次保氏

全国初!神奈川県全域の医療機関への予約調整を行う診療予約システムを1ヶ月で開発

— 主な業務内容をお聞かせいただけますか

2020年夏より、新型コロナウイルス感染症対策本部IT班の担当課長に就任し、県対策本部内全体のIT企画・開発を担当しています。

Team、LINE、AiCallなど、ITを活用したDX推進や業務効率化を目的としており、県対策本部で扱うほぼ全てのシステムを1から設計・開発しなければならず、限られた人員の中で高速に進める必要がありました。

— 今回システム開発を通じて解決したい課題はなんでしょうか

新型コロナウイルス感染症の第三波が到来すると、増加する擬似症患者はどこで診療を受けるのか、ということが大きな問題になります。

いわゆる”町医者”と呼ばれるような医療機関においては、擬似症患者を受け入れられないこともあり、たらい回しにされる危険があります。

また、他の医療機関に紹介する場合は、紹介状を用意しなければならないなど、医療機関への負担が大きいことも懸念でした。

そこで、神奈川県が各医療機関への診療予約を一挙に引き受ける体制を築くことになりました。

— 開発に際して苦労した点はなんでしょうか

第三波が到来する前にシステムをリリースする必要があったため、開発期間としては約1ヶ月しか猶予がありませんでした。

また、今回の場合は予約調整を行う100名以上のオペレータが利用することになるため、UIに優れていないとミスが発生します。

県民の生命に関わるシステムですから、オペレータの業務に合わせて使いやすいシステムを設計しなければならず、期間・質という両面を担保する必要がありました。

— システムのリリース後、実際にどのように使われておりますか?

リリース初日から100件を超える予約申込があり、これは私も想定よりも大きな効果があったと感じました。

業務に合わせて設計頂いたこともあり、現場での大きなトラブルはなく運用を開始できています。

特にオペレータからは、医療機関を地図上で検索できることが便利という声を頂いています。

この機能は当時ワークログさんからご提案頂いたもので、如何にオペレータの目線にたって設計して頂いたかが理解できます。

2021年1月時点では、日々およそ1,000件の予約申込があり、大変多くの方にご利用頂いています。

— 今後の活用イメージについてお聞かせください。

「LINE × kintone」という基盤は汎用性が高く、今後も流用できると考えております。

また、診療予約という観点では、他の都道府県での利用も検討の余地があります。

全国初となったこの試みを他県にも広げていきたいですね。

— 今回のプロジェクトを通じてワークログの良かった点・今後期待する点などを教えてください。

ワークログさんは、このプロジェクトに覚悟をもって臨んでいる、そう強く思いました。

こちらの要望にただ従うのではなく、ワークログさんからのご提案も多く、業務改善にも繋がっています。

時には生意気だなと感じることもありましたが(笑)、それだけ熱心に取り組んで頂いたと理解しています。

2名体制で負担が大きかったと思いますが、本実績をもってさらなる会社の発展を期待しております!