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ノーコードツール活用に必須なスキル『業務分析・BPR』の誰でも実践できる方法

2025.6.18
Jumpei Yamamoto

kintoneSalesforcePowerPlatform、自治体では最近ServiceNowの利用もよく聞くが、ノーコードツール・ローコードツールを導入している企業・自治体が増えてきている。

これらノーコードツールを効果的に活用している組織で共通しているのは「内製化」だろう。例えば、旭川市やエン・ジャパンでは全庁・全社的にkintoneを採用しており、担当部署が各課の課題をヒアリングの上アプリの構築を進めている。

いわゆる開発者やエンジニアなど専門職でなくても仕組みをノンプログラミングで構築できることがノーコードツールの強みであり、ツールの使い方さえ学べば外注に頼らずとも業務システムを構築・運用ができるわけだ。

システムの開発・構築のハードルが一気に下がったいま、より重要なのはどのノーコードツールを活用するにしても共通して求められる「業務分析・BPR」のスキルだろう。

業務分析・BPRとはそもそも 何なのか?

業務分析とは

業務分析とは、業務プロセスを詳細に分析し、現状を把握して改善点を見つけ出す活動です。業務分析を行うことで、業務効率化、コスト削減、生産性向上など、様々なメリットが得られます。

Googleの回答

BPRとは

BPRは「Business Process Re-engineering(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)」の略で、日本語では「業務改革」と訳されます。既存の業務プロセスを根本的に見直し、再構築することを指します。単なる業務改善とは異なり、組織全体の目標達成のために、業務フロー、組織構造、情報システムなどをゼロから見直すことを意味します。

Googleの回答

つまり1つの業務について、いつ・誰が・どのツールの・どの画面で・どんな操作をして・誰に引き継ぎ完了するのか、という一連の流れを明確に整理する。その上で既存の課題を明らかにして、業務フローから抜本的に見直すということだ。

一般的なシステム開発でも、次のような業務フロー図を作成する。

この業務フロー図が、システム開発の第一歩となる。逆に言うと、これが整理されていない状態で開発を始めると、全く期待と違うものができあがったり、大きく手戻りが発生するリスクが高まるのだ。そして、それはノーコードツールも同様である。

非エンジニアのための業務分析・BPRのやり方

とはいえ、いきなり業務フロー図を描けるかというと、そうでもない。しかし、業務分析・BPRのノウハウに関する書籍・教材は意外と多くない。また、やたら複雑な業務フロー図を書かせるものもあるが、エンジニアでもコンサルタントでもない人にとって、業務分析にばかり時間を取られていればいつまでたってもノーコードツールの活用を進められない。

そこで、ノーコードツール活用を想定した、最低限の業務分析の方法をまとめようと思う。

1. 業務の現状を棚卸しする

経験の少ない人であれば、いきなり業務フロー図を描くことは難しい。そこで、「棚卸しの流れ」の通り情報を整理していく。整理した結果は、ひとまずExcelやスプレッドシートに表形式でまとめていけば充分だ。

  • アクター
    • 担当部署、外部の関係者、役職など、業務を遂行するにあたって登場する作業者を列挙する
    • 主な役割だけでなく、組織内・外を整理しておくと良い
  • 現行システム
    • 利用するシステムと、そのシステムで扱う主なデータを整理する
    • 現状Excelや紙を使っている場合、そのファイルもここに加えておく
  • 帳票
    • 契約書、請求書など、使用している紙の帳票類を列挙する
  • 業務ステップ
    • 業務を大まかに3つ〜6つのステップに分割する
    • ステップ毎に主な担当者や内容を整理する
  • アクティビティ
    • 業務ステップを、さらに具体的な作業に分割する
    • こちらも主な担当者と内容を整理しておく

ここまで整理されれば、この情報をもとに業務フローを描いていく。

2. 業務フロー図を作成する

業務フロー図を書き始める前に、各アイコンの意味を理解しておこう。色々とお作法はあるが、これだけ覚えておけば大抵の業務フローは描くことができる。

業務フロー図の書き方としては、アクター毎にレーンを並べ、その上にアクティビティを順番に並べていく。必要に応じて、トリガーや条件分析、システムを書き入れ、あとは矢印で繋いでいけば業務フロー図ができあがる。

ポイントとしては、あまり複雑にしすぎないことだ。筆者は、1つの業務フロー図を作成するにあたり、ppt1枚にまとめることを心がけている。コンサルタント時代にExcelで細部まで表現した業務フロー図を納品したことがあるが、結果誰にも理解されなかった。細ければ良いというわけではない。

3. 業務フローの理想像を描く

業務の現状をフロー図に起こしたら、あとはパズルのように組み立て直して、理想形を検討する。これは業務によって、また組織が抱える課題によっても変わるので、一例を示しておく。

よくある「ペーパーレス」の事例だ。改善前の業務フローでは紙による申請を受け付け、紙の内容をわざわざ登録するという流れだが、登録フォームを用意することでシステムに自動的に取り込むフローに変わっている。これがBPRだ。

業務フローの理想形は、様々な正解がある。故に、検討や議論をするためにも、このような業務フロー図を描くべきなのだ。

さらに業務分析・BPRを学びたい人に

業務分析・BPRをより深く学びたい人のために、動画の教材を提供している。こちらから視聴できるので、自社でノーコードツールを導入・活用している立場の方にぜひご覧頂きたい。

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