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【図ットモ #10】統計的におじさんの年齢を導き出す!

2025.11.24
Jumpei Yamamoto

どうでもいい話題も、図にすればなぜか深く見えてくる。
この番組は頭の体操、時々悪ノリ。見えるようで見えない構造をスッキリ整理する、そんな図解系ラジオです。

筆者は現在38歳だ。

この年齢になると、体からは「そろそろ落ち着こうよ」と言わんばかりのサインがじわじわ出始め、社会の中ではいつの間にか“若手枠”から静かに外されていく。そして価値観も、流行のキャッチアップより、腰の痛みの方が優先度を上げてくる。

そんな“おじさん予兆”が周囲からも内面からも漂いはじめる38歳——。
しかし、では実際に いつから人は「おじさん」になるのか?

その疑問に答えるべく、今回は データから「おじさん年齢の境界線」を割り出してみた。

「おじさん」を構成する3つの要素

「おじさん」に見られる3つの指標

客観的に「おじさん」と判断されるには3つの指標がある。この指標に全て当てはまると、もはや自分がおじさんとして扱われることを免れることはできない。読者のみんな、おじさんであることを自覚しよう。

①見た目:生物学的加齢指標

第一印象の9割は見た目だという。当然おじさん判定にも影響することは間違いない。

具体的には、白髪・薄毛・体重の増加により見た目が老けることによっておじさんに一歩近づくことになる。

② 立場:社会的ライフステージ指標

見た目が若くても、結婚や出産、出世などライフステージの変化や組織内での立場の変化によって、周りからの印象は変わる。

決してネガティブなイメージでのおじさんではないが、”イケオジ”化は否めない。

③ 価値観:心理的・文化的距離指標

若者からすると、価値観の違いは大きなジェネレーションギャップに繋がる。例えば、数年前にSNSの主流だったFacebookは、最近の若者は使っていない。若者であれば、InstagramやTiktok、いやもはやこの2つも既に少し古いのかもしれない。

価値観、文化、流行は時間の流れによって変化していくことから、世代毎の”当たり前”が通用しなくなってくると、もうおじさんに片足を突っ込んでいる。

おじさんの要素が「生物学的加齢指標」「社会的ライフステージ指標」「心理的・文化的距離指標」の3つだとして、それぞれの指標を満たす年齢は一般的に何歳なのか、統計的に調査することにした。

身体編:いつから体が“おじさん仕様”になるのか?

白髪に関する調査結果(2022年 リクルート社調べ)

まず調査したのは、白髪・薄毛に関するデータだ。リクルート社が行った「白髪・グレイヘアに関する意識調査2022」よると、白髪出現の平均年齢は37.1歳、白髪染めをし始める平均年齢は39.8歳。そして同じくリクルート社が行った「薄毛に関する意識調査2024」では、薄毛を気にし始める平均年齢は38.6歳であることがわかった。

興味深いのは、この平均年齢が徐々に若くなっていることだ。晩婚化の影響なのか、見た目を気にし始める年齢が若くなっているようだ。

そして体重の増加についても調査した。海外の研究「Trends in weight change patterns across life course among US adults, 1988–2018: population-based study」によると、1年間の体重増加の平均は0.5kg〜0.7kg/年のようだ。これはイギリスでの調査結果のため、日本国内で見ると誤差はあるようだが、仮に毎年0.5kg増えるなら20歳から10kg増えるのは40歳を迎えた時だ。

ちなみに、メタボリックシンドロームの診断基準は、男性の場合腹囲が85cm以上と定義されている(厚生労働省によるメタボリックシンドロームの診断基準)。意外とメタボのハードルは低そうだ。

また、見た目には影響しないが加齢臭についても調べてみた。2014年の土師先生による調査(加齢臭をやっつけろ!! その正体と対策)では、40歳を超えると加齢臭の原因である”ノネナール”の分泌量が増えるそうだ。

これらの調査によると、30代後半〜40歳にかけて、身体的には「おじさん」と判断されることになる。

社会編:周りから“おじさん扱い”され始める瞬間

厚生労働省 人口動態調査

社会的に”おじさん”に見られる基準として、第一子が小学校高学年(10歳)であることと定義した。厚生労働省の人口動態調査によると、第一子が生まれた時の父親の平均年齢は33.0歳であることがわかる。つまり、第一子が10歳を迎える時には、父親の年齢は43.0歳になる。

また、国土交通省の住宅市場動向調査報告書(令和5年度)によると、注文住宅を購入した世帯主の平均年齢は44.6歳であることがわかる。

また、昇進も大きなライフステージの変化である。リクルートワークス社の調査によると、課長に昇進する平均年齢は38.6歳である。ちなみにこの年齢は世界的に見ると遅い方らしい。年功序列の表れだろうか。

会社でもプライベートでも、ライフステージが変わるタイミングは40代前半であり、身体的におじさんと判断される時期よりも少し遅れることがわかる。

価値観編:自分で「もう若くないかも」と感じるポイント

では、価値観が時代遅れと判断されるのは、年齢が何歳離れるとそう思われるのだろうか。まず起点を新卒1年目の22歳とし検討した。

職場で何歳以上に世代間ギャップを感じるか(ビズヒッツ社)

2022年、ビズヒッツ社がジェネレーションギャップについて興味深い調査を行った。20代以上の働く男女498人に「職場で何歳以上に世代間ギャップを感じるか」調査したところ、「10~14歳以上」が最も多い回答となった。23歳を起点とすると、12個離れた34歳にはジェネレーションギャップを抱くことが多い。

この調査結果から、見た目や社会的立場の変化よりも、価値観の違いによる”おじさん化”が最も早く到来することがわかる。つまり、おじさんに抗うためには、最近の流行に如何に乗り遅れないようにするか、という点を意識せねばならない。

また、おじさんの印象を加速させる「昭和生まれ」という大きな壁がある。筆者は昭和62年生まれであるが、やはり平成生まれと聞くと一世代違う印象を持つ。2025年時点、昭和生まれで最も若いのは36歳である。

また、音楽やゲームについての流行についても考えてみた。高校時代にKAT-TUNを聞いていた年代を「REAL FACE」発売日から35歳と割り出し、”wiiで遊んだことのない”世代として、wii発売日に20歳過ぎている年齢から、39歳と判断した。

統計的な「おじさん」の年齢は38.75歳

おじさんに関する調査結果まとめ

調査した結果をまとめると、大体30代後半から40歳にかけておじさんの境目があることがわかる。全ての平均から、「38.75歳からおじさん(※図ットモ調べ)」という結果を導き出した。

筆者は現在38歳。ちなみに3月生まれであるため、2025年11月時点では38.67歳。つまり「お兄さん」であることが判明した。

これからお兄さんとして胸を張っていこうじゃないか。そう、あと1ヶ月だけ。 

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